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【農業参入失敗の秘訣3選】その3「いきなり大規模化を行う」について

農業参入 ハウス 植物工場
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さて、ここでも前回、前々回に引き続き、農業参入失敗の原因についてお話しさせて頂ければと思います。

まず、失敗事例のほとんどの原因3点のおさらいです。
「1.安易な数値計画」、「2.生産量の安定化と販売先の確保」、「3.いきなり大規模化を行う」。
そろそろ見飽きましたかもしれませんが、これだけは覚えておいて頂きたいところです。

トマト1キロ150円と、いきなり大規模化を行うこと

前回の記事の結びとして「なぜこんなにも安いのでしょうか。」という疑問を提示させて頂きましたが、今回は、この回答から述べさせていただきます。

1キログラム当たり150円という、オランダの植物工場の価格が安いということ。
この事実が、失敗の原因の3点目にあたる、「いきなり大規模化」といったところに関わってきます。

オランダ式の植物工場の大きな特色の一つに「水耕栽培」というものがあります。
この水耕栽培で生産量を増大させたときによくある現象が「味がのらない」ということです。
そもそもの部分でオランダでのトマトは「水分補給代わりに食べる」といったようなところが多く、日本のように「トマトの味を楽しむ」といった感覚でトマトが食べられないといった現実があります。
結果として、オランダの技術は「味」といった要素を重視せずに発展していったのではないかと考えられます。

では、これがなぜ「大規模化」に関係があるのかという点をお答えします。
単純な話で恐縮ですが、先ほどの価格分の価値という話を思い出してみてください。
品質の悪いものが売れるためにはその分単価を下げる必要があります。単価を下げると売上の公式上で考えると当然売上が下がります。

そうなると売上を確保するために行えることはあと1つです。
「栽培面積を増大させる」つまり大規模化を行うということですね。
ただ、そうなると植物工場の設備投資は1反あたり約1億5000万円ともいわれており、それを1~5ヘクタール分(10反~50反分)行わなければ早期黒字を目指せないということになります。
もちろん機械設備で共通で使える範囲がありますので比例的に投資金額が上がるわけではないですがその初期投資費用は莫大なものとなってきます。
そして、ここで最初の1と2の話を思い出していただければ、巨額の投資を行った企業がどのような道をたどったかは想像に難くないかと思います。

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ここからわかることは、農業参入を行う際は黒字転換を急ぎすぎず、まず小規模な実験設備を行い、ノウハウの蓄積と細かい失敗事例の収集を行うことを行うことにしっかりと投資を行うべきということです。

以上3点が企業の農業参入を行う際にほとんどの企業が通る失敗のケースです。
ぜひ、これらの道を進まないような指針作りを明確にしたいですね。


最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

船井総研では無料の経営相談を行っておりますので是非ご活用ください!

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