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食品メーカービジネス

コラム仮

中小食品メーカーが高収益体制を実現するための3つのキーワード



今後、特に中小食品メーカーが高収益体制を実現するために実施すべきことは収益を上げ続けるための業態変革であり、具体的には以下の3つのキーワードです。

1.狭属性一番化
2.ストック型ビジネスモデル
3.デジタルシフト


1.狭属性一番化


人口が増え続け、マーケットのパイが伸び続けている時代は、どんどん新商品開発し、販路はとにかく増やすという拡大型のマーケティングが功を奏していました。しかし、残念ながら国内マーケットに限ってはこれ以上の伸びは期待できません。
マーケットが縮小している今、企業にとって大切なかじ取りは、事業領域を絞り込み、絞り込んだ分野で圧倒的な一番化を目指すマーケティング手法のことです。多少オーバーに言い換えれば、売上は下がってもいいから粗利益額、営業利益額をアップさせる考え方です。この考え方は大手企業、しかも上場企業であれば株主をはじめとするステークホルダーを意識するとなかなか実行しづらいものですので、中小メーカーの方が取り組みやすい手法だといえます。
売上至上主義を捨て、利益至上主義へと転換するためには、自社が一番になれる領域に絞り、領域外の販路や商品からは前向きな撤退を実施していく。その上で高収益ビジネスに転換した上で、次なる事業拡大を狙っていきましょう。



2.ストック型ビジネスモデル


ストック=商品在庫のことではありません。ある一定の割合で自社のファン層を持ち続けること。しかもできればファン層は最終消費者であればあるほど効果的です。昨年、名古屋駅の土産売場から、うなぎパイが一時期姿を消しました。取引条件変更の交渉決れつが原因です。しかしすぐに復活したことは有名な話です。うなぎパイを買いたいという消費者が現場を動かしたのです。消費者が応援したくなる食品メーカーになるためには、消費者のファンをメーカーこそが探し続け、価値を伝え続けることが今後非常に重要になってきます。そのためにフェースブック、インスタグラムの2つのSNSツールをフル活用し、取り組んでいきましょう。



3.デジタルシフト


産業革命4.0と言われています。今までの常識では当然のようにヒトでないと無理と言われていたことがどんどんロボットが行う時代に急激に変化しています。
また広告・PRも紙媒体からWEB媒体に変わり、営業もヒトからヒトに伝わっていた情報がどんどんWEBにシフトしています。
インターネットが登場したのは1990年代。当時は新たな宣伝方法が増えた!という程度の感覚で各企業の取り組みはウェブサイトの開設が一つのゴールでした。しかし今日では、ありとあらゆる活動がインターネットとは切り離せないものとなっています。情報収集や購買、購買後においても幅広くデジタルが浸透しています。
単なる宣伝という考えから、
「消費者が商品やサービスを通して得る体験までを考える立体的でかつ包括的なマーケティング視点」
の考えになってきています。
その中で、ここ数年出てきたキーワードがデジタルシフト。この言葉を聞いてもピンとこない人もいるかと思いますが、そんなに難しい事ではなく、簡単に言うならば様々な業務をネット環境に移動(シフト)させるということになります。
例えば以下のようなことです。
・今まで紙媒体で行ってきた各種処理がWEB上で処理できるようになる
・顧客からの注目が電話・FAXからWEBでの注文にシフトする
・広告媒体が新聞やテレビなどのマス媒体からWEB媒体へシフトした
・WEB媒体では趣味趣向や購買履歴や購買前の検索履歴などでターゲットを絞り込み、ユーザーが欲しいモノをリアルタイムに把握し、必要な人に必要なモノや情報のみを提供することができるようになります。
デジタル化により、生産性の向上が図れるとともに、一人ひとりのお客様を知り、お客様とのシナリオを作り永続的な関係性を作る(LTV=ライフタイムバリューを上げる)ことが可能な時代であるということです。またデジタルシフトの効用として、概念ではなくわかりやすいもっとも効果の出る分野はコストです。このコストは金銭的コスト、物質的コストだけではなく、当然時間的コストも入ります。

以上、上記3つの取組により高収益体制を実現していきましょう。



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