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既存店活性化
成功事例

コロナ禍で打撃を受けた観光土産飲食店がスイーツ事業に参入し、マイクロツーリズム+地元需要の獲得でコロナ禍でも集客し成功!わずか20営業日で月商700万円達成

株式会社洗心寮 代表取締役 寺島 正和 氏

滋賀県大津市で老舗日本料理店を経営。自社の隣にあった、廃業した同業他社の店舗を買い取り、新たな事業を計画する中で船井総研主催のスイーツ事業参入セミナーに参加し、本格的にスイーツ事業への参入を決意。それまでの団体バスを中心とした集客から、個人客向けの展開へシフトしていこうとしていた矢先に新型コロナウイルスの流行を受けて既存事業は大打撃。緊急事態宣言中に準備を進めたプリン専門店が、オープン後いきなり8月に20営業日で700万円の売上を達成する。

株式会社洗心寮
【所在地】滋賀県大津市石山寺3-1-9
【創業】昭和2年
【事業内容】日本料理店

1.滋賀県大津市、石山寺の山門前 団体バスで集客していた観光土産飲食店「洗心寮」

当社は滋賀県大津市にある石山寺というお寺の門前で、昭和2年にお食事処として創業いたしました。団体バスの立寄り所としてお客様にお食事を提供することを中心に、地域の方々の宴会利用や、冠婚葬祭等への出前・仕出し、個人向けの飲食レストラン、土産売店の5部門を運営しています。

その中でも地域向けの出前・仕出し部門や団体の方々による宴会利用については、年々規模が縮小されていく傾向にあり、売上が減少していたため、会社として団体バスからの集客や、石山寺へ観光に来られた個人観光客向けのレストラン事業に力を入れていく方向に舵を切って事業ポートフォリオを構築していきました。

結果、各部門の売上構成比は平成15年から31年までの16年間で
・団体バス:46%→58%・個人レストラン15%→25%
・地元宴会:18%→11%・出前・仕出し20%→5%
と変化しています。

2.廃業になった隣の物件を購入し新規事業を検討していた矢先に、船井総研のDMを見てセミナーに参加

そんな折、洗心寮の真隣で運営していた店舗が後継者問題で廃業になり、同業他社の参入を防ぐ意味でも2019年にその物件を購入しました。
1フロア約50坪で3フロアある大きな物件で、観光客向けの事業をさらに強めていくための新規事業を検討していたところ、船井総研からDMが届きました。これまで自社で取り組んだことのない観光×スイーツに関する事業でしたので興味を持ち、セミナーに参加いたしました。

セミナーでは観光地×プリン専門店が最も成功しやすい業態として紹介されていました。興味は持ちつつも、50坪×3フロアの巨大な物件でそれをやるには業態としては小さすぎるように思い、セミナー後の経営相談を通じて実際に購入した物件を船井総研の担当者に見てもらい、有効な使い方の提案を依頼しました。

当初はスイーツを使ったカフェ業態や、観光客ができる何らかの体験教室などを検討していましたが、船井総研からの提案は、建物を3分割してプリン専門店を含む複数の小型の物販業態の集積とし、これまで洗心寮で獲得しきれていなかった若年層個人客を取り込むことでした。人の手がかかるカフェや、人に教えられるくらいのスキルを必要とする体験教室などは、人材確保が大変で人件費が負担になりやすく、観光立地で上手くいっている事例も少ないということで、今後のことを考えると飲食やカフェを洗心寮でこれまで通り行い、新たな需要の取り込みとして個人客をターゲットにした業態開発を行った方が良いということで、その方向性を採用することにしました。

3.いざ店舗開発、その矢先に襲い掛かったコロナショック既存事業は休業で大打撃を受けることに

そうして2020年1月から、具体的な店舗開発の準備に入りました。プランとしては1つ目の業態を立上げ、業績の推移を見て2つ目、3つ目の業態を作っていくということにし、その第一号として、実際に石山寺でも展開できると数値シミュレーションで確認をしたプリン専門店を5月にオープンする計画で進めていきました。

設計やデザイン、商品開発等の専門家を紹介いただき、店舗オープンに向けて士気を高めていたその時、新型コロナウイルスの問題が日本でも取り沙汰され、あっという間に広がっていきました。団体バスを中心に観光客をターゲットにしていた既存の飲食事業は、3月には売上昨対比40%台、4・5月には緊急事態宣言もあり、1ヶ月以上の休業を余儀なくされ、売上はほぼゼロとなりました。観光客をメインターゲットとするプリン専門店も、このままではオープンしてもお客さんが来てくれないのではないか、ということで計画通り進めるかどうか議論になり、結果としてオープンを7月に延期することにしました。

4.地元と近隣県に的を絞って、ついに「石山寺プリン本舗」オープン200組を超える行列に!

しかし、ただオープンを延期するのではなく、後の店舗のことも考えて、ある意味時間をかけられるようになったこの機会に、建物の外装を全面的にやり替えることにしました。また観光客の戻りに期待できないため、観光客向けの店舗ということではなく、地元大津や隣接する京都などからお客さんを呼べるように、販促の計画を立て、チラシや新聞広告、地元メディアへの働きかけなどを実施しました。

そうしてやっとの思いで迎えた7月、ちょうど本来ならばオリンピックが始まるはずだった23日に、プリン専門店「石山寺プリン本舗」をオープンしました。コロナ禍でのオープンということもあり、本当にお客さんが来てくれるのか、とても不安でした。しかし蓋を開けてみると、オープン初日は200組を超えるお客さんが大行列を作ってくれました。店舗の営業時間は11~18時までの予定でしたが、14時頃にはすべての商品が売切れになってしまい、まだ並んでいただいているお客さんに申し訳ないながらも、翌日の商品製造もしなければならなかったので、早々に閉店としました。

船井総研の方からは「オープン時は物凄く人が来るのでプリンを1日1,000個は用意してください」と言われ、まだ慣れないスタッフが何とか準備したものの、オープンからしばらくは製造が追いつかないような状況が続きました。

5.コロナ禍の8月、売上昨対比170%に、マイクロツーリズム需要を獲得し、本業の売上減少をカバー

スタッフの体制については、既存事業からマネージャーと、飲食の厨房担当から1名を回して、2名で製造に当たってもらいました。コロナのことがあったので新規採用はなるべく少なくしようと思い、販売のPA3名だけを採用しましたが、応募は相当集まったので、こちらの求める条件に合う方をじっくり選定することができました。結果としてその後、製造にも1名スタッフを追加しました。

7月はオープンから7営業日で250万円、8月は20営業日で700万円を超える売上を上げることになり、8月は既存事業だけで見ると昨対50%と大変な状況でしたが、プリン専門店をオープンしたことで全体として170%以上となり、その後もこのスイーツ事業のおかげで、コロナで減少してしまった本業の売上を少しでも補うことができています。本当に、コロナ禍で新しい事業の準備をしていなければ、今頃どうなっていただろうと思います。

6.事業再構築補助金を使い、第2、第3の単品業態立上げ準備中

その後もGoToトラベルキャンペーンがあり、順調に業績は回復基調に向かってきましたが、12月に感染者再拡大によるGoTo停止、1月に再び緊急事態宣言が発令され、依然として観光や団体バスの需要獲得は難しい状況が続いています。そんな中でも、プリン専門店は地域の方々に買い支えていただいており、一定の売上確保に繋がっています。

初めのプリン事業が上手くいっているので、今は3月に発表予定の事業再構築補助金の申請に向けて準備をしているところです。目先は苦しい部分もありますが、船井総研から提案を受けている食パン専門店や、お芋スイーツ専門店など新しいことに取り組み、コロナ禍でも更なる成長を遂げ、石山寺を核とした地域づくりに貢献していけるよう、今後もコンテンツを磨いていきたいと思っています。

担当コンサルタントより 株式会社船井総合研究所 正村 陸

昨今の観光、飲食業界は、新型コロナウイルス感染症の影響をまともに受けてしまっており、どの企業様も目の前の売上をどう作るかに必死になって取り組んでおられることと存じます。事例企業である洗心寮様と同様に、観光団体バスで集客をされておられたドライブイン等の施設の経営者様は、予約がなかなか戻らないこともそうですし、そもそも団体バス旅行という旅行形態が減少してきており、今後どうなっていくのかというのは、以前から課題に感じられていた部分ではないでしょうか。

そういった中で、同様の課題を抱える経営者様の課題解決の1つの策として、本事例をご紹介しました。コロナ禍で何とか次の打ち手を探そうとされている皆様に向けて、マイクロツーリズム需要に着目した単品スイーツ専門店業態への参入をご検討されてみてはいかがでしょうか。
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担当者

コンサルタント

正村 陸しょうむら りく

大学院修了後、株式会社船井総合研究所に入社。整骨院業界のコンサルティング経験を経て、食品・菓子業界のコンサルティングに従事。
特に観光菓子マーケットでの新業態開発に数多く取組み、異業種企業のスイーツビジネス参入をサポート。立地診断から需要予測、店舗のコンセプト立案、外部パートナーとの調整・連携、WEBマーケティングを中心とした販促提案など、店舗の立上げ~活性化までワンストップで行うことを強みとする。

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