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下呂温泉で独り勝ち!コロナ禍でも最高月商1700万円!下呂温泉繁盛のポイント

株式会社天狗 専務取締役 戸谷陽香氏

株式会社天狗は創業65年、岐阜県下呂市萩原町を拠点に精肉業を生業とし、
地域に根差した「町のお肉屋さん」。
地元観光地である下呂温泉に2019年3月プリン専門店「下呂プリン」をオープン。
幅広い世代の来店があるが、特にSNSを中心に広がりを見せ、若年層からの支持が圧倒的に高い。

1.精肉店が肉寿司店オープンからプリン専門店オープンまでの経緯

元々は、岐阜県下呂市萩原町を拠点に精肉業を生業とし、地域に根差した「町のお肉屋さん」を営んでおりました。
しかし、小さな田舎町ということもあり、人口減少によって、どんどん売上が減るのではないかという懸念から、車で15分の下呂温泉に肉寿司店をオープンしました。
肉寿司店に来て下さるお客様から、目で見て楽しめるものや、スイーツを食べたいというお声を頂くようになりました。
そんな時に、船井総研さんの単品スイーツセミナーに参加し、「プリン専門店」をオープンしたいと思うようになりました。
精肉店で、洋菓子についての知識がない状態でしたが、プリン単品一つであれば、始めることができるかなと考えておりました。

2.店舗オープンまでの流れ

オープン1年前の2018年2月に船井総研さんの単品スイーツ研究会に参加させて頂きました。そこで、岐阜県のプリン職人である所 浩史シェフに出会い、商品のプロデュースやプリン制作技術の習得などのお手伝いを頂けることが決まりました。
2018年8月には、物件の目星がついており、この物件でどのような内装にしようかなということを考えておりました。そして2018年10月に商品企画、パッケージ企画、図面制作を進め、2019年3月に「下呂プリン」をオープンしました。

3.下呂プリンのコンセプト

お客様に下呂の温泉街に来て頂いたという雰囲気を味わって頂けるよう、古く懐かしい雰囲気をコンセプトにしています。
ブランドのマークになる動物も、古く懐かしいイメージのある「かえる」にしようと決めておりました

4.元々は銀行であった物件を、写真映えするプリン専門店「下呂プリン」へ

下呂プリンをオープンした物件は、元々は銀行として使われており、20年以上空き家になっている物件でした。
売り場づくりでは、一目で見て可愛い、写真を撮りたくなるような写真映えスポットづくり、古い銭湯に行ったような内装を意識しました。
工房の中は、9坪で、調理はすべて店内でしております。
スケルトンで中が見える冷蔵庫を使用しております。中のものが一目でわかるように、
また開け閉めの回数を減らし、冷蔵庫内の環境の変化を減らすことを目的としております。

5.売上状況について

売上状況は、初期投資:4500万円、原価:33%、人件費:26%、営業利益:25%です。単品スイーツで、材料や容器が同じなのでロスが少ないのが、利点だなと感じています。

6.オープン当初~1年目(2019年)

下呂温泉が観光客でにぎわう3月にオープンしました。
私も、スタッフもスイーツの製造、販売が初めてであったため、多く作りすぎてしまったり、製造数が足りず、早く閉店しまったりと慣れない状況でかなり苦労しました。
しかし、各プリンが何個売れたかというデータを毎日蓄積することで、1日に必要な製造数を予想、把握できるようになりました。
また当時スイーツの競合が少なく、若いお客様にもスイーツ専門店が望まれた状況でした。オープン前には、インスタグラマー試食会を行い、インスタグラマーさんにInstagramに下呂プリンの投稿をして頂きました。
そこから一般のお客様の目に届き、お客様が来店。一般のお客様にもInstagramに投稿頂くことで、どんどん知名度がアップしていきました。

7.オープン前の研修について

岐阜県のプリン職人である所 浩史シェフに技術習得のお手伝いをして頂きました。
スタッフ3名と私で、2日間研修をして頂きました。
オープンまでに多少プリンを作る練習はしましたが、オープンしてから徐々に習得していきました。

8.コロナに直面したオープン2年目(2020年)

初の緊急事態宣言で、5~6月の間は、休業していましたが、7月からはどんどん客足が戻ってきました。
スタッフの雇用は、雇用調整助成金を使い、できるだけ残って頂けるようにしました。
また、BASEやふるさと納税なども始めました。本当は現地で楽しんでいただくことを目的にしているので、やる予定はなかったですが、「コロナ禍で買いたくても買えない」というお客様の声にお応えし、始めることにしました。

9.Withコロナのオープン3年目(2021年)

SNSを中心にどんどんお店を知って頂けるようになり、若年層のお客様が増加しました。3月は月商1440万円、8月は1100万円でした。
また下呂に、牛乳スイーツ店やバタースイーツ店など他のスイーツ店が参入するようになりました。お客様に「下呂はスイーツの食べ歩きが楽しい場所なんだ」と思って頂けたらいいなと思います。また私自身も新物件を抑え、新たな事業開発を考えております。

10.人員体制と労働時間について

週の真ん中は、一番お客様が少ないので水曜日を定休日にしております。
スタッフは、正社員2名、パート2名、学生アルバイト2名~4名に働いて頂いております。

社員の労働時間は、8時半~17時半、パートの方は8時~15時です。
全員が週休2日になるようにしております。
また1日あたり3名から4名で運営しています。
製造が2人ですが、観光地なので客足が多い時と少ない時の差が大きいので、
客足が多い時の調整は、私が入るようにしています。

11.客層とSNSについて

インスタグラマーさんや、一般のお客様に、ご来店いただくために、
可愛くて写真を撮りたくなるような店内、商品づくりに取り組みました。
インスタグラマーさんの真似をして写真を撮り、Instagramにアップする一般のお客様、
そして一般のお客様の投稿がさらなるお客様を呼ぶという良い循環を作り出すことができました。
SNSでの販促費用は、2年で20万円~25万円ほどです。

12.今後の展開について

同じようなスイーツのお店がたくさんあるという状態ではなく、
下呂で別の単品スイーツ専門店を開業することで、下呂地域の活性化に繋げたいと考えております。
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担当者

コンサルタント

正村 陸しょうむら りく

大学院修了後、株式会社船井総合研究所に入社。整骨院業界のコンサルティング経験を経て、食品・菓子業界のコンサルティングに従事。
特に観光菓子マーケットでの新業態開発に数多く取組み、異業種企業のスイーツビジネス参入をサポート。立地診断から需要予測、店舗のコンセプト立案、外部パートナーとの調整・連携、WEBマーケティングを中心とした販促提案など、店舗の立上げ~活性化までワンストップで行うことを強みとする。

お電話・Webからお問い合せ可能

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