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スイーツ&ベーカリービジネス
コラム仮
若年層を取り込む菓子店がしている取り組み
最近菓子店でよく耳にするのが、客単価は昨年対比で上がっているが、客数が昨年対比で下がっているという話です。特に客数を分解してみていくと、若年層(15歳~34歳)が圧倒的に来店されていないそうです。
周知の通り、地方を中心に人口減少が続く中で、将来に続く見込み客でもある地域にいる若年客層を早期に囲い込み、育てていくことは必要不可欠です。ただ、多くの菓子店にとって悩ましいのがそんな若年層に対して認知してもらう、購入してもらうきっかけが不足していることです。
ただ、そんな中でも上手く若年層が多く来店するような菓子店もあります。そのような菓子店が取り組んでいることをまとめさせていただきますと、大きく4点です。
1.若年層に好まれる菓子を強化
2.異業種とのコラボによる若年層の取り込み
3.プロモーション―① TV・WEBメディアを中心とした広報活動
4.プロモーション―② SNSを中心とした顧客育成
「1.若年層に好まれる菓子を強化」
まず近年、若年層を巻き込んだ人気の菓子店でつくる商品づくりでもしっかりとターゲットに合わせたた菓子を強化しています。その特徴として大きく3点挙げられます。
①若年層が好きな菓子を主力化、もしくは準主力化させている
②食感がやわらか、なめらかで、甘い菓子が人気になっている
③見た目で大きく差別化された菓子で話題になっている
―①若年層が好きな菓子を主力化、準主力化させている
客層を広く取れている菓子店の特徴として、やはり人気商品のカテゴリが若年層にも受けるような商品を品揃えされているケースがほとんどです。ある統計データでは全国の20代男女に聞いた好きなスイーツのうち、普段から最もよく食べているもののランキングTOP10が出されており、ランキングで見ていると特徴的なのが、大福・羊羹を中心とした和菓子が意外と人気上位に入ってきていることです。中でもフルーツ大福は多くのファンがいると調査レポートには記載されているほどです。実は全国を見ていきますと、現在好調な和菓子店は大福を主力にしているケースが多くあります。例えば、香川県高松市にある「夢果房たから」、岐阜県加茂郡にある「養老軒」など主力単品は大福で人気がある和菓子店が好調になっています。
―②食感がやわらか、なめらかで、甘い菓子が人気になっている
昔ながらの商品で、上手く若年層を取り込んだ最たる例でいきますと、八つ橋が挙げられます。明治時代から販売されていた八つ橋ですが、その後出てきた柔らかい触感でより甘い生八つ橋の方を若年層はほとんど買っていきます。これと同じ現象が他の単品でも見られ、餅米を使った大福ではなく、柔らかくて甘い求肥を使った大福が若年層には人気になっています。このような若年層を中心とした味覚・食感のトレンドを商品開発の際には盛り込んでいく必要があります。
―③見た目で大きく差別化された菓子で話題になっている
近年、若年層を中心とした購買行動の変化ですと、“インスタ映え”という言葉が流行したように、初回購入のきっかけの中でも見た目の重要度を占める割合が大きくなってきています。若者離れが進むといわれる和菓子業界の中でも、商品開発で見た目のインパクトなどを盛り込んだ和菓子店では、しっかりと若年層の集客に成功されています。例えば、京都にある朧八瑞雲堂では、約5㎝の高さの生クリームをサンドした生どら焼きがSNSで話題を呼び、開店30分で売り切れも続出しています。
「2.異業種とのコラボによる若年層の取り込み」
最近、菓子店の中で業績が好調になっている店舗に聞く話が、異業種とのコラボによって今まで訪れなかった、自店の菓子を食べなかった新規客を取り込むことに成功し、売上アップしている事例が増えてきています。ここでいう異業種コラボとは、主にサブカルチャーと呼ばれるような、漫画、アニメ、アイドル、ポピュラー音楽などがメインとなっており、それらと菓子の融合した商品開発やプロモーションが話題となり、認知度アップとともに売上拡大をしているそうです。
例えば、山梨県北杜市にある和菓子店「金精軒製菓」では、元々若年層が利用していたソーシャルゲームのMobageのコンテンツで、アニメ化もされたアイドルマスター SlideMと山梨県がコラボした企画で商品を開発しています。そして、そのコラボした商品は何と通販でも売り出すとすぐに完売する商品になっているそうです。また、そのアニメのファンであったお客様が県外から多く店舗に来店するようになったそうです。
また、他にも静岡県沼津市を中心に展開する菓子店「御菓子処 雅心苑」では、沼津市がラブライブというアニメの聖地となっており、そこで従業員が運用するSNSアカウントでアニメに関連する投稿をSNSしていたところ、そのアニメの聖地巡礼に訪れる方に着目され、遠方のお客様でも聖地巡礼の一環の場所として来店するようになりました。その結果、店舗の昨年対比の売上が130%以上 成長しているそうです。
これらの多くの菓子店で異業種コラボが上手くいっているケースを見ていると、そんな若年層もしくは普段自店の菓子を買わないような客層が、自店を知るきっかけ、購買するきっかけとなっているのです。
自身の好きなサブカルチャーとコラボしている菓子だから買ってみよう、そんな店舗に行ってみようというお客様の購買行動が増えているのです。実は、ある女子大生を中心とした統計データによると、好きなキャラクターがいる場合、約7割以上の方がそれらのキャラがパッケージに入った菓子類を買った経験があると答えているほどです。菓子の中でも和菓子の業界に関しては、上手く若年層を取り込むためには、彼ら・彼女らが好むカルチャーに合わせた商品開発をしていくことが求められているのです。
「3.プロモーション―① TV・WEBメディアを中心した広報活動」
ただ、良い商品やコラボをしただけでは、普段から自店に訪れるわけではない若年層を誘客することは非常に難しいです。そのため、しっかりとプロモーションの方法も若年層に合わせた取り組みが必要になってきます。若年層を取り込むために中でも重要なのが、TV・WEBメディアを中心とした広報活動です。今まで全国の売れている菓子の話や、若年層を巻き込んだ地域で圧倒的に有名になった菓子、地域で多くのお客様が買っている菓子の誕生したきっかけを数多く調べてきましたが、実は95%以上は何らかのメディア掲載が名物菓子の誕生のきっかけになっています。
そして、そんな名物菓子を誕生させるためにメディアを活用することは重要することですが、その前にメディアの特性を理解することが大事です。中でも重要なメディアの特性として挙げられるのが、いきなり影響度のあるTV番組に取り上げられるわけではないということです。地元の新聞やWEB上での記事などの掲載を見た、もしくは話を聞いたTV番組編集者が連鎖的に取り上げているケースがほとんどです。そのためにも、よくご紹介させて頂いている、まずは地元メディアを呼んだ地元メディア向けのご試食会や、WEB上のリリース代行会社(弊社では@プレスをよく利用)を使って、まずはWEBメディア上へ情報を発信していくことが大切になります。
「4.プロモーション―② SNSを中心した顧客の育成」
また、若年層を継続的に来店してもらうためにする固定客化の施策も今までの紙媒体やポイントカードを中心としたものから変わってきています。現在、若年層を中心にSNSの利用率は8割以上という統計データも出ているほど、何らかのSNSをほぼ利用しています。また、SNSの使われ方も変化をしてきており、今までは自身の投稿をするための場所という立ち位置でしたが、今では情報を収集するための場所として使われるケースが多くなってきています。そんなSNSの使われ方の変化を捉え、すでに取り組みをしている菓子店では自店との関係づくりの接点としてSNSを使い、そこでお客様を育てています。
例えば、老舗和菓子店の中でSNSを中心に顧客基盤を形成されているのが東京都江東区にあり、くず餅で有名な「船橋屋」です。Facebookだけでフォロワーが10,000人以上、Twitterでも5,000人以上がフォローしており、SNSだけでも15,000人以上の顧客基盤を作っており、その中で常に新商品の情報やイベントなどを発信されています。
以上、実際に多くの菓子店ですでに成功された事例を中心に、若年層を取り込むためのポイントについて紹介しました。人口減少が進んでいる地方でこそ、いかにして多くの客層を取り込んでいこうかという課題は直近の売上課題としても急務だと思います。ただ、自店の永続性を考えていきますといずれ地域で最も家計支出が増える若年層をいかに他店よりも早く取り込んでいくのかということは非常に重要な経営課題です。そんな中、新商品開発の際に、思い浮かべるお客様は、「どうしたらいつものお客様にさらに喜んでもらえるだろうか?」という近視眼的な目線になっていませんでしょうか。確かに、より今のお客様に満足して頂くことはビジネスとして非常に重要なことだと思います。ですが、「どうしたらより多くの新しいお客様にも喜んでいただけるだろうか?」という若年層を含めたより多くのお客様に満足して頂けるような商品開発、プロモーションの視点で本文をここまでお読みいただいた読者の菓子店の方に実践して頂ければと思います。
周知の通り、地方を中心に人口減少が続く中で、将来に続く見込み客でもある地域にいる若年客層を早期に囲い込み、育てていくことは必要不可欠です。ただ、多くの菓子店にとって悩ましいのがそんな若年層に対して認知してもらう、購入してもらうきっかけが不足していることです。
ただ、そんな中でも上手く若年層が多く来店するような菓子店もあります。そのような菓子店が取り組んでいることをまとめさせていただきますと、大きく4点です。
1.若年層に好まれる菓子を強化
2.異業種とのコラボによる若年層の取り込み
3.プロモーション―① TV・WEBメディアを中心とした広報活動
4.プロモーション―② SNSを中心とした顧客育成
「1.若年層に好まれる菓子を強化」
まず近年、若年層を巻き込んだ人気の菓子店でつくる商品づくりでもしっかりとターゲットに合わせたた菓子を強化しています。その特徴として大きく3点挙げられます。
①若年層が好きな菓子を主力化、もしくは準主力化させている
②食感がやわらか、なめらかで、甘い菓子が人気になっている
③見た目で大きく差別化された菓子で話題になっている
―①若年層が好きな菓子を主力化、準主力化させている
客層を広く取れている菓子店の特徴として、やはり人気商品のカテゴリが若年層にも受けるような商品を品揃えされているケースがほとんどです。ある統計データでは全国の20代男女に聞いた好きなスイーツのうち、普段から最もよく食べているもののランキングTOP10が出されており、ランキングで見ていると特徴的なのが、大福・羊羹を中心とした和菓子が意外と人気上位に入ってきていることです。中でもフルーツ大福は多くのファンがいると調査レポートには記載されているほどです。実は全国を見ていきますと、現在好調な和菓子店は大福を主力にしているケースが多くあります。例えば、香川県高松市にある「夢果房たから」、岐阜県加茂郡にある「養老軒」など主力単品は大福で人気がある和菓子店が好調になっています。
―②食感がやわらか、なめらかで、甘い菓子が人気になっている
昔ながらの商品で、上手く若年層を取り込んだ最たる例でいきますと、八つ橋が挙げられます。明治時代から販売されていた八つ橋ですが、その後出てきた柔らかい触感でより甘い生八つ橋の方を若年層はほとんど買っていきます。これと同じ現象が他の単品でも見られ、餅米を使った大福ではなく、柔らかくて甘い求肥を使った大福が若年層には人気になっています。このような若年層を中心とした味覚・食感のトレンドを商品開発の際には盛り込んでいく必要があります。
―③見た目で大きく差別化された菓子で話題になっている
近年、若年層を中心とした購買行動の変化ですと、“インスタ映え”という言葉が流行したように、初回購入のきっかけの中でも見た目の重要度を占める割合が大きくなってきています。若者離れが進むといわれる和菓子業界の中でも、商品開発で見た目のインパクトなどを盛り込んだ和菓子店では、しっかりと若年層の集客に成功されています。例えば、京都にある朧八瑞雲堂では、約5㎝の高さの生クリームをサンドした生どら焼きがSNSで話題を呼び、開店30分で売り切れも続出しています。
「2.異業種とのコラボによる若年層の取り込み」
最近、菓子店の中で業績が好調になっている店舗に聞く話が、異業種とのコラボによって今まで訪れなかった、自店の菓子を食べなかった新規客を取り込むことに成功し、売上アップしている事例が増えてきています。ここでいう異業種コラボとは、主にサブカルチャーと呼ばれるような、漫画、アニメ、アイドル、ポピュラー音楽などがメインとなっており、それらと菓子の融合した商品開発やプロモーションが話題となり、認知度アップとともに売上拡大をしているそうです。
例えば、山梨県北杜市にある和菓子店「金精軒製菓」では、元々若年層が利用していたソーシャルゲームのMobageのコンテンツで、アニメ化もされたアイドルマスター SlideMと山梨県がコラボした企画で商品を開発しています。そして、そのコラボした商品は何と通販でも売り出すとすぐに完売する商品になっているそうです。また、そのアニメのファンであったお客様が県外から多く店舗に来店するようになったそうです。
また、他にも静岡県沼津市を中心に展開する菓子店「御菓子処 雅心苑」では、沼津市がラブライブというアニメの聖地となっており、そこで従業員が運用するSNSアカウントでアニメに関連する投稿をSNSしていたところ、そのアニメの聖地巡礼に訪れる方に着目され、遠方のお客様でも聖地巡礼の一環の場所として来店するようになりました。その結果、店舗の昨年対比の売上が130%以上 成長しているそうです。
これらの多くの菓子店で異業種コラボが上手くいっているケースを見ていると、そんな若年層もしくは普段自店の菓子を買わないような客層が、自店を知るきっかけ、購買するきっかけとなっているのです。
自身の好きなサブカルチャーとコラボしている菓子だから買ってみよう、そんな店舗に行ってみようというお客様の購買行動が増えているのです。実は、ある女子大生を中心とした統計データによると、好きなキャラクターがいる場合、約7割以上の方がそれらのキャラがパッケージに入った菓子類を買った経験があると答えているほどです。菓子の中でも和菓子の業界に関しては、上手く若年層を取り込むためには、彼ら・彼女らが好むカルチャーに合わせた商品開発をしていくことが求められているのです。
「3.プロモーション―① TV・WEBメディアを中心した広報活動」
ただ、良い商品やコラボをしただけでは、普段から自店に訪れるわけではない若年層を誘客することは非常に難しいです。そのため、しっかりとプロモーションの方法も若年層に合わせた取り組みが必要になってきます。若年層を取り込むために中でも重要なのが、TV・WEBメディアを中心とした広報活動です。今まで全国の売れている菓子の話や、若年層を巻き込んだ地域で圧倒的に有名になった菓子、地域で多くのお客様が買っている菓子の誕生したきっかけを数多く調べてきましたが、実は95%以上は何らかのメディア掲載が名物菓子の誕生のきっかけになっています。
そして、そんな名物菓子を誕生させるためにメディアを活用することは重要することですが、その前にメディアの特性を理解することが大事です。中でも重要なメディアの特性として挙げられるのが、いきなり影響度のあるTV番組に取り上げられるわけではないということです。地元の新聞やWEB上での記事などの掲載を見た、もしくは話を聞いたTV番組編集者が連鎖的に取り上げているケースがほとんどです。そのためにも、よくご紹介させて頂いている、まずは地元メディアを呼んだ地元メディア向けのご試食会や、WEB上のリリース代行会社(弊社では@プレスをよく利用)を使って、まずはWEBメディア上へ情報を発信していくことが大切になります。
「4.プロモーション―② SNSを中心した顧客の育成」
また、若年層を継続的に来店してもらうためにする固定客化の施策も今までの紙媒体やポイントカードを中心としたものから変わってきています。現在、若年層を中心にSNSの利用率は8割以上という統計データも出ているほど、何らかのSNSをほぼ利用しています。また、SNSの使われ方も変化をしてきており、今までは自身の投稿をするための場所という立ち位置でしたが、今では情報を収集するための場所として使われるケースが多くなってきています。そんなSNSの使われ方の変化を捉え、すでに取り組みをしている菓子店では自店との関係づくりの接点としてSNSを使い、そこでお客様を育てています。
例えば、老舗和菓子店の中でSNSを中心に顧客基盤を形成されているのが東京都江東区にあり、くず餅で有名な「船橋屋」です。Facebookだけでフォロワーが10,000人以上、Twitterでも5,000人以上がフォローしており、SNSだけでも15,000人以上の顧客基盤を作っており、その中で常に新商品の情報やイベントなどを発信されています。
以上、実際に多くの菓子店ですでに成功された事例を中心に、若年層を取り込むためのポイントについて紹介しました。人口減少が進んでいる地方でこそ、いかにして多くの客層を取り込んでいこうかという課題は直近の売上課題としても急務だと思います。ただ、自店の永続性を考えていきますといずれ地域で最も家計支出が増える若年層をいかに他店よりも早く取り込んでいくのかということは非常に重要な経営課題です。そんな中、新商品開発の際に、思い浮かべるお客様は、「どうしたらいつものお客様にさらに喜んでもらえるだろうか?」という近視眼的な目線になっていませんでしょうか。確かに、より今のお客様に満足して頂くことはビジネスとして非常に重要なことだと思います。ですが、「どうしたらより多くの新しいお客様にも喜んでいただけるだろうか?」という若年層を含めたより多くのお客様に満足して頂けるような商品開発、プロモーションの視点で本文をここまでお読みいただいた読者の菓子店の方に実践して頂ければと思います。
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