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焼肉屋の開業を成功させる仕入れ方法 ~焼肉専門コンサルタントによる解説~

焼肉屋の開業、仕入れについて
焼肉屋の開業を成功させるために必要な仕入れ方法・知識について解説します。

コロナ禍にもかかわらず、焼肉屋の新規開業は非常に増えております。
実際、船井総研ではこの2~3年でたくさんの焼肉屋の出店および新規開業のお手伝いをさせていただいております。

特にコロナ禍の影響や円安などによって原材料の仕入れ単価はここ数年上昇傾向です。
「どのようにメニューや仕入れ面で対策していけばいいのか?」
「人気メニューに使用する食材の必要数量の確保はどう考えていくべきなのか?」
焼肉店経営において仕入れ先対策は非常に大事な経営課題と言えます。

 

焼肉店経営において
「どのようなお肉・部位を用意すればいいのか?」
「どのような食肉流通でどうやって仕入れ先・卸業者を探していけばいいのか?」
「仕入れコストの目安はどれくらいのキロ単価が妥当なのか?」
「お肉の種類はどれくらい必要なのか?」
「肉の品質や鮮度の目利きには不安があるが、品質チェックはどうれすばいいのか?」
「卸売業者にカットして納品してもらうのか?カット料金はいくらが妥当なのか?」
「インターネットを使った業務用サイトからの仕入れのメリットは?」
「仕入れ価格を安定させるための相見積はどうすればいいのか?」
「原価率を抑えるためにはお肉の加工の際にどんな工夫が必要なのか?」
などなどを考えることは、非常に重要です。

 

お客様にとって競合店よりも魅力的な焼肉店として評価されるためには、
「どのようなランクのお肉を使用して、どのように加工・調理し、いくらで売るのか?」
は重要な要素になります。

もちろん、焼肉屋をはじめて開業されるオーナーの仕入れ力と、
複数店舗の経営をしてして大量のお肉を使用する会社では「仕入力の差」は存在します。

開業前、開業当初・開業初期段階の購買力では取引先との金額交渉もやり難いため、質の高い牛肉を他店よりも安く仕入れるのは簡単ではないでしょう。

 

しかし取引の信頼関係を積み重ね、事業規模を大きくしていく中で、卸市場の中でも競争の原理が働き、徐々に仕入力を高めていくことは可能です。

ぜひ、仕入れ力の向上は中長期の目線で継続的に取り組み続けていただければと思います。

 

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なぜ、コロナ禍でも焼肉屋の開業・出店がつづいているのか?


なぜ、コロナ禍にもかかわらず焼肉屋の出店および新規参入が増えているのか?
また、原価高騰が報じられる「牛肉の仕入れ」はどのように対応しているのか?
焼肉専門コンサルタントが解説させていただきます。

「なぜ、コロナ禍でも焼肉屋の開業・出店がつづいているのか?」
まず、マクロな数字から確認しましょう。

以下の数字は、一般社団法人 日本フードサービス協会が発表している
飲食業界全体・焼肉業態・居酒屋業態の売上の2021年10月~2022年1月の2019年対比の数字です。

【飲食業界全体】
10月:93.9%
11月:91.8%
12月:92.0%
1月: 88.5%

【焼肉業態全体】
10月:100.4%
11月:101.3%
12月:101.9%
1月: 90.2%

【居酒屋業態全体】
10月:50.3%
11月:50.8%
12月:54.0%
1月: 33.9%

上記の通り、焼肉業態は2021年10月~12月はコロナ禍前の売上を上回っていました。
一方、居酒屋業態は同時期の売上は2019年対比で50%ほどに落ち込んでいます。
2021年10月~12月と言えば、全国で規制が解除され2年ぶりの帰省をする人がいるなど
経済が動いていた感触がある方も多いと思います。
そのときに「久々の外食」をした方が多く、そのとき選ばれた業態が「焼肉業態」だったのです。

「焼肉」は「ご馳走」「非日常」「家族やグループでわいわい楽しく食べるもの」という
イメージが強く、“まん防”や“緊急事態宣言”が解除されたら食べに行きたい飲食店、という
ポジションを確立できています。
これを「目的来店性が高い」と言います。
焼肉業態・焼肉屋は「目的来店性が高い」ため売上をコロナ禍でもキープできているといえます。

次に、同じく飲食業界・焼肉業態・居酒屋業態の店舗数の2019年対比の数値の推移を確認してみましょう。

【飲食業界全体】
10月:93.9%
11月:94.2%
12月:94.2%
1月:94.6%

【焼肉業態全体】
10月:99.4%
11月:99.0%
12月:98.9%
1月:101.0%

【居酒屋業態全体】
10月:76.1%
11月:78.7%
12月:77.3%
1月:78.4%

上記の通り、居酒屋業態・焼肉業態はコロナ禍にもかかわらず店舗数は
2019年と比較しても90%台をキープ、焼肉業態にいたっては2022年1月は101.0%とプラスに転じました。
一方、居酒屋は右肩下がりで2019年対比で70%台で推移しており、実に2割以上の店舗が閉店しています。

マクロな数字からも「焼肉屋」の出店、および開業は増えていることが分かります。

芸能人が焼肉店を新規開業することが話題になっていますが、
多くの飲食店経営者・オーナーが焼肉屋の新規開業に関心を持っており、
このような市場の中で、いかにお客様の高評価を勝ち取るコンセプト設計をするか?が大切です。

そして「自店・自社の仕入れをどのようにやっていくのか?」は
出店エリア・立地選定、物件選び、内装デザインをどのようにするのか?
と並んで非常に重要なことです。

牛肉の原価高騰が進む中、どのように仕入れをすれば良いのか?


焼肉屋の開業にあたって欠かせない「牛肉の仕入れ」について解説します。
焼肉屋のメニュー、仕入れのほとんどを占める「牛肉」は焼肉屋の根幹ともいえるべき重要な食材です。
昨今、石油をはじめさまざまなものや食材が値上がりをしていますが、牛肉も原価高騰を続けています。
いかに安定的に安く(妥当な金額)仕入れて適正価格で販売するか?が大切です。

牛肉は大きく「輸入牛」「交雑牛(国産牛)」、「和牛」の3つに分けられます。
輸入牛は、主にアメリカ産の牛肉で価格が安いのが特徴です。
食べ放題や大手チェーンが良く使用しています。
交雑牛は、黒毛和種などの純血種ではなく、
生産効率などを上げるために違う品種同士を掛け合わせて作った雑種のことです。

日本ではホルスタイン種のメスと黒毛和種のオスの交雑種がメインです。
和牛の美味しさとホルスタインの産肉性の良さと両方の形質をもっています。
飲食店では「国産牛」「国産黒毛牛」などと謳っているところが多いです。

和牛は、肥育期間などに関係なく、条件を満たした牛のみに与えられる品種名です。
和牛には厳格な定義があり、「黒毛」・「褐毛」・「無角」・「日本短角種」の4品種のみに限定されています。
和牛の9割を占めているのが「黒毛」であり、「黒毛和牛」の名称で親しまれています。
仕入れ価格がもっとも高く、おいしい脂が特徴的で国内外からの人気が高いです。
コロナが収束し、外国人観光客が戻ってくれば、神戸牛などの銘柄牛が再び人気になるでしょう。

自社の業態をどのような業態にしたいのか?
どのようなお客さんに来てもらいたのか?
いくらくらいの予算でお店を利用してもらいたのか?

「どの牛肉をどれくらいの価格で仕入れ、どれくらいの売価で提供するのか?」
お店のコンセプトによって準備するべきものや仕入れ戦略は変わってきます。

高級業態ならば黒毛和牛の仕入れは欠かせませんし、
大衆業態ならおいしさと安さを兼ね備えた交雑牛、
食べ放題業態ならば原価に見合う輸入牛を導入する、
といった具合に業態に応じて仕入れる牛肉を変えます。

また、原材料価格が高騰傾向にある今の時代においては、開業後に使用する牛肉原材料の変更も必要になってきます。
当初準備していた牛肉が値上がりしたり、そもそも材料が入ってこないというケースも発生します。
その場合は、自店の状況を見ているだけでは経営判断がなかなかできません。

オススメなのは、自店が参考にしていきたいベンチマーク・モデル店舗の牛肉を定めることです。
そうすることによって、仕入れの取引先にも
「このお肉を仕入れたいのだけど仕入れ金額はいくらになりますか?」という話がし易くなります。

また、仕入れの取引先も複数社開拓していくことが必要です。
仕入量が大きくないうちは、価格交渉力が無く、使用ロットも少ないため、
なかなか大きな食肉商社や食肉メーカーからの仕入れは難しいかもしれませんが、
どのような条件ならば取引可能なのか?商談することが大切です。

またインターネットを活用し、どのような肉がいくらくらいで流通しているのか?
を確認することで相場感も養われていきます。

ただ、焼肉事業が小さいうちは食肉流通の川上との直接の取引は難しいこともあります。
よって、力相応一番で考えることが必要になります。

焼肉店の新規開業からその後店舗数を増やしながら徐々に仕入れ力を高めた会社の事例


ここでは焼肉店の新規開業からその後店舗数を増やしながら、
徐々に仕入れ力を高めて行った会社の事例をご紹介します。



【開業時の仕入れ】
はじめて焼肉屋を開業する時自社には「取引量」「取引実績」が無いため、
仕入れ価格の主導権を握ることは難しいです。
また、お肉の加工ノウハウや加工体制も無いため、肉の成形の一部を仕入先にお願いすることもあるでしょう。
そうなると、手間賃として「肉のカット代」が上乗せされるため、良い肉を安く買うことは難しいでしょう。
そのような状況の中でのポイントは「使用する牛肉をよりシンプルに絞り込む」ことです。
つまり、メニュー戦略と連動する形で仕入れを考えていくことになりますが、
ある程度原価率は高くなることを想定しておくことが現実的と言えます。



【開業後の仕入れ力アップ】
お店が繁盛し、取引実績や取引量が見えてくるようになると、卸業者への価格交渉力が備わってきます。
開業時には取引のなかった卸業者も販路開拓として営業に来ることもあるでしょう。
また、2号店、3号店の出店が続いてくると
卸売業者から見てあなたのお店や会社との取引がより魅力的に映るでしょうから、
卸売業者のほうからの「提案」も出てきます。

さらに自社内での加工力が高まってくると「原体仕入れ」が可能になるでしょうし、
また、小さなセントラルキッチンを設けることも出てくるでしょうが、
そのような加工力・加工体制が備わってくると、
卸売業者にとっても「肉のカット」の手間が省けるため、
自社の価格交渉力も高まってきます。

セントラルキッチンはコストセンターにならないように注意が必要ではありますが、
仕入れ単価を抑えることと、店舗現場の仕込みにかかる人件費の削減と肉の加工品質の安定化に寄与するため、
特にローカルエリアでの複数店舗展開を進める際にはメリットのほうが大きいと言えます。



【総合的なコストダウンにつながる端材活用】
また自社内での加工力が高まってくると焼肉店では売りにくい「端材」を活用することによって
(端材をお金に変えることによって)
総合的なコストダウンが可能になります。
私たちのご支援先では肉の解体時に発生する脂やスジを加工し、
小売やインターネット通販(エムマートや自社サイト)、業務用卸売りで販売することで、
端材をお金に変え、「総合的なコストダウン」を実現している会社も存在します。


焼肉ビジネスにおいて牛肉の仕入れ力を高めることは、経営面でも業績に直結します。

自社の仕入れ力を高めるための取組みは、
コスト面だけでなく、
良いお肉をリーズナブルな価格で販売することで「持続的な繁盛」を実現するためにも、
非常に重要です。

開業時のビジネス初期段階のみならず、
「仕入力向上」は開業後においてこそ、より大切な取組みと言えるのです。

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